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解体工事① ライフライン設備や石綿含有建築資材
工事ブログ

2024.05.21

工事部の保坂です。
前回に続き解体工事について、各ライフライン設備や石綿含有建築資材についてお話しします。

<各ライフライン設備について>
既存建物の解体工事を行うための事前調査として、建物等の電気・水道・ガス・電話・インターネットが解約されていてかつ引き込まれている状態であるかを調べ、対処しておく必要があります。

建物自体を壊す工事なので、間違いなく建物からこれらのライフライン設備を切り離しておかないと、漏電・漏水・ガス漏れ状態となり危険な状態に陥いることになりかねません。

その為、着工前に各業者さんへ切り離しの依頼をしますが、水道だけは工事中に使用するので、支障のない位置に盛り替えて仮設設備として設置します。

<石綿含有建築資材について>
既存建物に石綿(アスベスト)含有建築資材が使用されているかを、解体工事前に既存建物の設計図や目視確認で、有資格者において行います。

石綿が含まれている恐れがありそうな建築資材としては主に、屋根のスレート材、外壁の塗装材、鉄骨造の柱・梁・デッキ床に吹付けられた耐火被覆材、内装の石膏ボード・ケイ酸カルシウム板・クッションフロア・ビニル床タイル・断熱材です。

築年数によって石綿含有の恐れがある場合は試料を採取し、分析調査機関に調査依頼に出して石綿含有の確認をします。

外壁塗装材試料の採取例

内装ケイ酸カルシウム板試料の採取例

「分析調査で石綿含有の調査を行う」作業方法と「石綿含有の調査を行わず含有材とみなして進めていく」作業方法があるのですが、石綿含有材であった場合は通常の解体作業要領では進められなくなり、作業員の安全確保や周辺地への飛散防止措置、撤去後の資材処分先を改めて取り扱うようになってくるので、該当する資材の物量や環境に応じて分析調査の有無を判断します。

又、建物の規模や用途によってはPCB(ポリ塩化ビフェニル)という人体に有害とされる資材が使用されていないかの調査を行うこともあります。

どのようなところで使用されているかといいますと、昭和47年頃までに製造されていたキュービクル(高圧受変電設備)内の変圧器やコンデンサーという器具内に使われている絶縁油にPCBが含まれている事があるのです。

普段は人が触れるような機器ではありませんが、解体工事で撤去や処分をする際、適正な取り扱い方をしなければならないので、いつ頃に建てられた建物なのかを考慮して調査を行います。

該当する頃に建てられた建物にキュービクルが設置されていた場合、変圧器やコンデンサー内にある絶縁油を試料として採取し、こちらも分析調査に出してPCB含有を確認します。

変圧器内 試料の採取例


コンデンサー内 試料の採取例

このように解体工事では「建物を壊す」という作業以外にも、事前の準備作業を済ませた上で行政への申請、報告書の提出を行い着手に至っています。

次回は解体の本工事について、お話ししたいと思います。

この記事を書いた人

保坂雅憲

現場監督