走れよメロス!
2014.04.04
一般財団法人「理数教育研究所」が開催した塩野直道記念 第1回「算数・数学の自由研究」作品コンクールで中学二年生の村田一真君による大変面白研究発表がありましたのでご紹介させていただきます。
「メロスの全力を検証」というものです。
これは太宰治の「走れメロス」の記述を頼りに平均移動速度を算出してみようという試みです。
簡単に前提条件をまとめます。
【往路】
移動距離=10里(およそ39キロメートル)
出発時間=初夏、満天の星とあるので午前0時と仮定
到着時間=日中、村人が野良仕事中につき午前10時と仮定
39キロメートルを10時間で移動なので、時速3.9キロメートル。
一般成人男性の歩行レベルの速度であります。
【復路】
移動距離=10里(およそ39キロメートル)
出発時間=薄明のころとあるので午前4時と仮定
到着時間=日没ギリギリとあるので午後7時と仮定
復路は途中で激流を渡ったり山賊との戦いがあったりしますので、
復路前半は時速2.7キロメートルとなるそうです。
物語のクライマックス、死力を尽くして刑場まで走り切るシーンの
考察によりますと、それでも時速5.3キロメートル。
*フルマラソンの一般男性の平均速度は9キロメートルです。
メロス、走っていませんね!早歩きです。
走れよメロス!
下記に村田君の手書きの原稿が載っています。