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夏休みの楽しみ方
常務ブログ

2024.08.17

本が好きでよく読むほうだと思いますが、建築士試験の講師を始めてから凡そ半年間は授業の準備などであまり読書の時間がとれなくなりました。学科試験が終わった後の8月は束の間に時間が取れるので、夏休みは図書館でたくさん本を借りて旅先などでどっぷり読書につかります。私が小学生の頃、夏休みは公園で遊ぶ事が多く、その公園の隣に小さな古い図書館がありました。少し疲れると図書館に涼みに入り、当時お気に入りだったシートン動物記をよく読んでいました。
※ファーブル昆虫記も好きでしたが、動物好きな私はシートン派でした。
その図書館の涼しさと窓から垣間見える緑、蝉の鳴き声は今でも記憶に残っています。

今は市川市生涯学習センター内の中央図書館にお世話になっています。小学生の時に行っていた図書館と比べて規模も大きく綺麗で何もかも違いますが、先日入館した際に感じた涼しさ、窓から見える緑、外から聞こえる蝉の鳴き声は、小学生の時の感覚と同じで懐かしさを覚えました。図書館は静かな空間で本を読みながら時間をかけて選ぶという贅沢さがありますね。又、作者さんには失礼ですが、良さそうだなと思って借りた本が自分に合わなかった場合の懐のダメージが無くて有難い(笑)若い頃、よくCDのジャケ買いをしていましたが、自分に合わなかった時の懐のダメージが大きく、これに比例して精神的ダメージも大きかった事と比べると、より有難さが増します(笑)
最近ではYouTubeでも何でも自分好みのものをお勧めしてくれて大変有り難いですが、自分で選んでいる気でも実際は選んでもらっているものを只々見たり聞いたりしているだけのような気がします。
さて、何冊も借りた本の中で印象深かった本は、さだまさしさんの「美しき日本の面影」です。解夏、眉山、精霊流し、などたくさんの名著があります(銀河食堂の夜も私は大好きです)が、この本は旅のエッセイ集です。※さだまさしさんは今年、市川市の親善大使に就任されましたね!

「何かで読んだ話だが、無風状態でぼたん雪の舞い降りてくる速度が凡そ秒速五十センチだそうである。一方これも無風状態でソメイヨシノの花びらが舞い降りてくる速度が凡そ秒速五十センチだという。そこでもしや、と思い詳しい人に聞いてみたら、案の定、無風状態での蛍の飛行速度が概ね五十センチらしい。秋の紅葉の落下速度までは調べていないが、どうやらこの国には秒速五十センチが似合うようだ。」日本の美しい事象の共通点を書いていますが、四季折々の情景を思い出す、とても素敵な本作の一節です。ご興味ございましたら是非ご一読くださいませ。
しかし、先述したYouTubeのくだりと絡めてよくよく考えてみると、凡そ秒速五十センチというのはこの国の美しく感じられる自然界のアルゴリズム的なことなのかと一考…「いやいや、なんだそれ!」と自分にツッコミを入れつつ、こんなとりとめのない事を旅先でぼんやり考えるのも私の夏休みの楽しみ方の一つです。

この記事を書いた人

加藤正和

常務取締役