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三階建完全分離型二世帯住宅①
常務ブログ

2023.10.09

10/28(土)29(日)に御施主様のご厚意により「三階建完全分離型二世帯住宅」の完成見学会を開催します。
道行く方々に「良い家ですね~」とお声掛けいただいたり、近隣にお住まいの弊社のお客様には「どうやって考えたの?」とご質問をいただけるような素敵な住宅です。「どうやって考えたの?」とは面白い質問ですよね!詳細は完成見学会でご説明させていただきますが、簡単に設計プロセスをご紹介させていただきます。
建築地は市川駅徒歩圏内の第1種住居地域と第1種低層住居専用地域の用途境付近にあり、住居地域側にはマンションや店舗が、低層住居地域側には閑静な住宅が広がる場所で、閑静な住宅街への入り口というところでしょうか。駅のほうを見ればマンションがあり道路を挟んだ向かいには緑を望める、市川市の都市計画基本図通りのイメージで、用途境の道路がバッファーゾーンになっている雰囲気があります。敷地面積は36坪弱、この敷地に車を2台駐車できる完全分離型二世帯住宅を建てる計画です。
限られた敷地を(市川駅徒歩圏内の場合、36坪でもかなり大きいですが)最大限に有効活用する為には様々な外的要因から考えを進めていく必要があり、隣地の状況や採光、視線、通風、景観の有無などは勿論、3階建てという事もあり法規制をどうクリアするかも大きな課題でした。建築基準法は3階建て以上になると用途を問わず避難規定に適合させる必要があり、避難経路の幅員なども決まっています。
又、避難関係だけではなく建物が高く大きくなる分、集団規定による建ぺい率や高度斜線なども厳しくなります。まず、ゾーニングをしながら動線計画を立てていきますが、北側からの高度斜線により3階の面積が大きく変わる事から建物高さや屋根の形も「3階はこれぐらい削られるんだな・・・」などとブツブツ言いながら同時進行で考えて行きます。ビルトインガレージはガレージ分の建築面積が増えるので建ぺい率が厳しくなる傾向にあり、今回は法定建ぺい率ギリギリの計画で、逆に容積率は車庫の容積緩和がある為に少し余裕がありました。少しずつ外堀を埋めつつゾーニングを進めます。二世帯住宅で気をつける事はたくさんありますが、その一つに音の問題があります。上下階の水廻りを揃えるなどの対策がありますが、ビルトインガレージがある場合はガレージの上に浴室などを配置するのも一つの手です。音の対策ができ、又、ガレージの天井裏は高さの余裕がある為に配管経路に余裕ができます。しかし、配管関係が入り組み断熱と気密施工が難しくなりますので、私が設計する際にはこの部分のみウレタンの吹付断熱を採用するケースが多いです。納まりや状況により最善の施工方法を選択する事が大事です。3階以上の建物を考える時に非常に重要なのが階段の位置です。あたり前のように感じますが、階段の位置により各居室への動線の長短が決まります。高さ制限を逆手にとり屋根の急勾配を活かした階段を計画したり様々です。階段と同時に縦のラインを考える事も必要で、3階のトイレや洗面台などの排水もなるべくまっすぐ(しかもなるべく間取りに違和感無く)基礎まで落とせるように縦シャフトを考えます。※なるべくが多いのは難しいからです(苦笑)

※縦シャフトと水回りの梁組の検討図

ある程度ボリューム感もわかってゾーニングも出来てきましたが、玄関の位置や外観のデザインがなかなかまとまらず、特に外観のデザインは最後まで悩みました。・・・つづく

この記事を書いた人

加藤正和

常務取締役