「熊本地震」まとめ
建築会社として学びの多い熊本地震。現時点でまとめを行っておこうと思いました。
【熊本地震のまとめ】2016.5.28.現在
避難者数:
8,582人(熊本県のみ192避難所合計)
被害棟数:
熊本県 109,816棟
(全壊8,482棟・半壊19,682・一部破損81,652)
大分県 2,408棟
(全壊2棟・半壊61棟・一部破損2,345棟)
★2000年以降建築の全壊判定棟数:17棟(耐震基準の強化後)
地震回数:
200回以上(M3.5以上)
2回 (M7以上)
4月14日から熊本県を中心に発生した一連の地震。 震度7が2回、震度6強が2回、震度6弱が3回(4/14〜5/20)。震度7の揺れが繰り返し同じ地点で起きたのは、気象庁の観測史上初めてのことでした。 残念ながら耐震基準ぎりぎりや施工不備の住宅は被害を免れませんでした。
阪神淡路大震災の時はハウスメーカー各社が「全壊・半壊0」を早く宣伝したようですが、熊本地震でこの種の公表がほとんど無いようです。それなりの被害があったと想像せざるを得ません。
現在、防災・地震・建築の各分野専門家が現地調査から解明を進めています。
倒壊していた建物の大半は1981年以前に建てられた旧耐震とみられる古い住宅です。
しかし、静岡県から建物の「応急危険度判定士」として熊本県益城町に派遣された、建築安全推進課の松下明生課長代理によると、最新の耐震基準であっても、今回の熊本地震には対応できなかったケースがあるようだとの報告があります。
また、福岡大学工学部の高山峯夫教授も、日本建築学会九州支部による益城町の調査で、2000年以降に建てられたとみられる新・新耐震の木造住宅でも、全壊しているものがあったということです。
最新基準に適合しているのに、何故でしょう?
松下課長代理は、応急危険度判定を行った地域の住民から「14日夜の1度目の震度7の地震では、新しい住宅には何の異変も見られなかったが、16日未明の2度目の震度7の地震で壊れてしまった」との話を聞いたという。
過去のブログ投稿で、熊本城の状況変化をご報告致しましたが、同じことが住宅でも起こっていたということです。
これこそが今回の熊本地震が浮き彫りにした問題です。
現行の耐震基準は、建物が繰り返し2回以上の震度6強から7の揺れに見舞われることを「想定していなかった」のです(国土交通省建築指導課)。
ですから、自ら対策を立てるしかありません。
当社がお勧めしている対策は次の3点
+耐震等級3(木造最高ランク)で建てる
+全棟構造計算を実施する
+大小繰返しの揺れに対応した制振装置★を設置する
特に私共がお勧めしている制振装置は優れものです。
「備えあれば憂えなし」 どうぞご相談下さい。
<余談>
当社が購読している新健ハウジング5月30日号にインターネットを通じた緊急調査の結果がありました。
注文住宅見込み客300人に次の質問への回答を求めていました。
Q 地震対策を変更するか?
A 65.3% 変更する予定
A 34.7% 変更しない予定
Q 熊本地震で家の耐震意識は変わったか?
A 70.3% 以前より強く意識 or 意識するようになった
A 29.7% 特に変わらない
お客様の意識は極めて高い!
ちょっと安堵を致しました。