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解体工事④ 基礎躯体解体
工事ブログ

2024.08.21

工事部の保坂です。

前回に続き、解体工事の基礎躯体解体についてお話しさせていただきます。

<作業の進め方>
鉄骨造3階建ての上屋解体が完了したので、地中にある基礎解体へと進みます。

この建物が建っている土地は地下水位が高かったため、地表から50cmほど掘削すると地下水が見られてくる土地でした。

重機で基礎躯体を壊していくと周辺の土が崩れると共に地下水が混ざってしまい、作業を進めるごとにドロドロ状態になってしまう作業環境でした。

見づらいかと思いますが写真の赤線で囲われている部分が基礎躯体です。

今回は解体工事における掘削作業となり、既存基礎自体の根入れ(埋設深さ)が1m弱でしたので、埋め土の崩壊を気にしながら基礎躯体を撤去しては埋戻しを繰り返す要領で進め、なんとか撤去作業を済ませることができました。

解体工事に伴い、建物の規模や構造、周辺環境よりおおよその作業状況が想定できていたので、工程・工期・工事内訳・工事費等が関与してくる都合上、着工する前に既存建物の設計図が無いかと調べたのですが残されておらず、実際に着工してからの確認作業となってしまっていたので一安心でした。

しかし、既存基礎自体の根入れが更に深かった場合は山留工事が必要になったことでしょうし、新築工事においても基礎の根入れ深さが大きければ基礎工事中の掘削状態を維持する事と敷地周囲のご近隣様への配慮、作業自体の安全確保の為、山留工事が必要になってきます。

このようにして基礎躯体を地中から掘り上げた後に重機で嚙み砕きます。

写真で鉄筋が見られるかと思いますがリブと言われる節があります。昭和40年代頃までは鉄筋コンクリート造の建物に使用されている鉄筋は「丸鋼」と呼ばれるリブ無しでツルツルの鉄筋が使われていたと聞きますが、写真の鉄筋はリブがあるので「異形鉄筋」であり、それ以降に建てられたのだろうと現場では見ておりました。

コンクリートと鉄筋を分別して場外へ搬出処分致します。

基礎躯体解体が完了したので一見更地になりましたが、既存基礎躯体よりも下層に今回壊した建物自体の杭、又はそれ以前に建てられていたかもしれない建築物に関する地中埋設残置物が無いかを確認します。

私共では通称「探り」と呼びますが、既存建物の柱が建てられていた部分の辺りを地山(人の手が加えられていない自然に形成されたままの地盤)まで試掘して、今後の建築工事に支障となる地中障害がないか確認をします。

既存建物が建てられていた下層の地盤を幾つか試掘ポイントを絞って探ったところ、小ガラ(コンクリート塊)が少々確認できました。同様に元は駐車場だった地盤を探ったところ、今回の建物では使用されていなかったレンガが埋められていた部分もあったので除去してあります。

探りを終え、今後の新築工事に大きな支障となるような杭や大きな地中障害が無かった事を確認したので今回の解体工事は完了です。

石綿含有建材やPCBの有無、行政関係への各書類申請等の準備作業を経てから約3か月間の解体工事となりましたが、現場周辺のご近隣様へは大変ご迷惑をお掛けしつつもご理解とご協力をいただき、無事に完了する事ができました。心より感謝申し上げます。


こちらの現場は今後の木造新築工事に向け、設計計画中でございますが弊社はこのように既存建物解体工事から始め、新地工事を完了させるまでの建設工事に対応しております。
ご相談等、ございましたらDAISHUにお声がけください。

この記事を書いた人

保坂雅憲

現場監督